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外壁塗装職人のお話
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悪い噂
残念な事だが、現実はというとほとんどが、その材料の節約に走らなければならなくなってしまっている。
過去に何度か他の下請け職人と隣りあわせで現場に入ったことがある。
やっぱり他の職人の仕事が気になるし、恐らく向こうも同じだろう。
同業者があからさまに見ていても失礼なので、自分の仕事をしながらチラチラ見ていたのだが、
結論から言えば材料の量には驚いた。
それだけの量の塗り方に驚いた。
塗料の缶を見てゴム状になる塗料だと分かったのだが、この塗料の場合はネットリして粘度が高いのでローラーで壁を塗った場合、小さな「ネチャネチャ」という音がするか、もしくはほとんど聞こえない。この時はローラーを壁に強く力をいれ、押し付けて転がして塗っている「ゴリゴリ」という音が隣の家にいてもハッキリ聞こえてきた。
当然音がするほど強く押し付けて塗っていれば塗料に厚みが付く訳はない。
やっと色だけついている感じになる。
悪い噂
この色だけ付いている塗り方でも、確かに以前と変りツヤも出ているので、完成してしまえばキレイに見えてしまいお客は喜ぶ。
普通下請けというのは材料も何もかも、工事に関する全てを任せられる。
もちろん材料も職人自身が買う。
これが塗装仕様通りに塗れるほどの塗料を支給されれば、材料を節約することもなくなり塗り替えをする多くの人が救われる。
しかし材料の分だけ会社からの発注金額が安くなって、下地調整など他の作業にシワよせがくるのでは同じことになってしまう。
結局、材料の支給と作業に見合った金額がでれば、長持ちする工事が出来るのだが、材料から全部任せられるのが下請けという存在。
そしてそれはこの現場だけではなく、他の現場でも同じ光景を目にしている。
もし私が道を歩いていて他の現場でそういう光景を目にしたら許せない気持ちになるだろう。
しかしこの時は違った。やり過ぎだという気持ちも確かにあった。

でも、それより同情の気持ちの方が強かった。

それと同時に何も知らないお客が哀れに思えてきた。
犠牲になっているお客が続出している最中にも、年々規模が大きくなる会社への悔しさと反発心が怒りを覚えるほど一番強かった。
そんな工事が、有名な会社であるがゆえ、それは塗装職人のみならず、他の業種の職人までもが気付き始めている。

私は塗料屋には良く行くが、金物屋にはそれほど行かない。
しかし塗料屋に置いてあるもの以外に必要なものも出てくるので、たまに金物屋に行くときがある。
金物屋にはある五ヶ月間の間に、現場近くのそれぞれ違う三件の店に行った。
今から話すことがとても印象的だったので五ヶ月間で三件という数字を覚えていた。
ペンキの付いた私の格好を見れば一目でペンキ屋とわかる。
その内二件の金物屋の主人が、ペンキ屋である私にこの大手の話をしだした。
私がしたのではない、向こうから話し掛けてきたのだ。

再び独立
建材が置いてある金物屋は色々な職種の職人が毎日出入りしていて、名前を聞けば誰でも知っている会社だから、その分悪い噂の浸透も早いらしい。
数十種類の色々な職種が扱う商品のある金物屋の三件中二件が、この大手の塗り替え工事の実態を知っていた。
しかも「有名だよ」とまで、逆にていねいに教えてもらった。
塗料屋から聞くのは当たり前でも金物屋から聞くとは思ってもいなかったので、私の想像を越えた範囲に「もうここまできてるのか」と驚いたが、不思議でもなかった。
後の一件も言わなかっただけで恐らく知っているだろう。
多くのお客の場合は、ペンキ屋という塗り替え業者と、このような訪販会社の区別が分からないから、このままではペンキ屋のイメージが悪くなる。
ますます安心して仕事を任せられなくなる時代がそのうち来る。
塗り替えで多くの人が失敗している今、多くの人に長持ちする塗り替えを提供しようと私が思っても、今の状況が続けばそれもむずかしくなる。
私が思うにはこれは建築塗装業界全体の問題でもあると思っている。


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